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【津山東高校】夢は調理師!「調理師仮認定式」

 6月27日、県立津山東高校で「調理師仮認定式」が開催されました。

 津山東高校食物調理科では、3年間の教育を受け、調理師としての知識と技術を習得した証(現段階では仮認定)として、生徒たちにコック帽を着用させる式典を行います✨

 津山東高校では、国家試験を受験しなくても、在校中の3年間で必要な単位を取得すれば、調理師の免許を取得することができます。
 
 同校は、岡山県内の公立学校の中で、唯一、調理師の免許が取れる学校です。

 食物調理科の河本 美喜(こうもと みき)科長に、式典開始前にお話を伺ってみました。

食物調理科の河本科長

「まず、毎年、5月末頃に『仮認定試験』を行います。
 
 この試験に合格した生徒だけが『仮認定式』に参加できます。
 今年は(公欠で休んだ生徒を除いて)全員が合格しました。」

ーでは、なぜ今回は「仮」認定式なのでしょうか?ー

 今からさかのぼること、20数年前・・・。

「当時、本校に勤務していた外部講師の先生から、
(本校に設置されている)看護科には「戴帽式(たいぼうしき)」があるのに、当時の食物調理科にはそのようなものがないため、食物調理科も同じような式典をしてはどうか?』
という提案があったそうです。

 そこから、調理師の『仮認定式』を行うことになり、コック帽を授与し、ここでひとつの『ケジメ』をつけることになりました。いわゆる『仮免』の状態です。」

 

式典開始前、
整然と並んだ純白のコック帽

「生徒たちは「仮認定式」の後、7月8日から28日までの間の10日間で、調理師免許取得のための現場実習(校外実習)に行きます。

 現場は、津山市内の9箇所の事業所です。

 具体的には、ホテルや、個人が経営されているお店、本校の特別講師の方が経営されていたり、勤務をされていたりする事業所で実習します。

 実習も2単位に数えられます。

 校外実習を始めてからの歴史は長いので、各事業所の方たちは、新入社員を育てるつもりで生徒たちをしっかりと鍛えてくれるので、とてもありがたいです。
とのことでした!

 生徒たちは、今回の「仮認定式」において、7月に行われる校外実習に向けての誇りと自信を持ち、キャリア意識をもって実習に臨む気持ちを高めます

真剣なまなざしで
式典に臨む生徒たち

 
 式典開始にあたって、施設長である、安東 幸信(あんどう ゆきのぶ)校長が式辞を述べます


安東施設長より生徒たちへ式辞

 緊張感が漂う、凜とした雰囲気の中、生徒たちに向けて、ひとつひとつ丁寧に紡がれた言葉が贈られます。

 式典に参加した人たちの心に響く言葉の中で、いくつかのフレーズをご紹介したいと思います。

「食物調理科3年生のみなさん。
 本日は誠におめでとうございます。
 みなさんは、本校食物調理科において2年余りの専門教育を受け、先日、難関の仮認定試験に見事合格し、本日のコック帽を着用するこの式典に臨まれています

 コック帽は、プロとして調理に携わる方々にとっての自覚と誇りのシンボルです。今日、この機会を、みなさんの人生の大きな節目として、厳粛に受けとめていただきたいと思います。」

コック帽授与に向けて
生徒たちへ言葉を述べる安東施設長


「私は、授業参観や集団調理などを通じて、専門教科を学ぶ際のみなさんの本気度、真剣さを強く感じているところです。7月8日から始まる校外実習で、培ってきた自分の知識、技術が、プロの現場でどの程度通用するのか確かめて来てください。校外実習では、厳しい場面に直面することもあると思いますが、ひとつひとつの経験が皆さんの財産となるはずです。一生懸命、取り組んでください。」

実習が、安全で、中身の濃いものになることを祈念して、式辞とします。

 いよいよ、コック帽の着用です✨

 クラシック音楽が、美しくゆったりとした旋律を奏でる中、厳かな式典が進行します

ひとりずつ前へ進み、
コック帽を授与されます


河本科長より
生徒ひとりひとりへコック帽の授与


鏡を前にしながら
純白のコック帽を着用します!


緊張した面持ちで
コック帽を受け取ります


これから始まる実習に向けて
さらに気が引き締まります!


コック帽は
「自覚と誇りのシンボル」です!

 次は、生徒代表である、山本 康太(やまもと こうた)さんより「誓いの言葉」が出席者に贈られます。

演台へ向かう生徒代表の山本さん


山本さんより誓いの言葉

 声高らかに宣言された言葉の中で、いくつかのフレーズをご紹介します。

「本日は、私たちのために、このような式典を開いていただき、ありがとうございます。本日の『仮認定式』を迎えるにあたって、私たちは『仮認定試験』に臨みました。

 試験の前には、全員が合格できるよう、時には休み時間も削って、みんなで問題を出し合うなどし、クラス全体が力を合わせ、挑みました。諦めずに努力することで、全員で合格することが出来ました

 今、私たちが、この場に立っていられるのは、家族や学校の先生方、講師の先生方のおかげです。

「私たちは、入学当初は、あまりまとまりがなく、とても消極的なクラスでした。しかし、2年間、お互いを支え合い、一緒に過ごす中で、ひとりひとりの意識が高まり、少しずつではありますが、自分たちの個性を活かせるクラスになっていくことが出来ました

 そして今、36名全員がコック帽をいただき、調理師のスタートラインに立ったことを実感し、気が引き締まる思いです。

調理師の3原則である『労働意欲』『衛生観念』『原価意識』をしっかりと胸に刻み、校外実習に臨んで行きます!

 

中西さんより生徒たちへ
「激励の言葉」

 次に、同校 特別講師 日本料理担当の「日本料理 織部」店主の中西 隆之(なかにし たかゆき)さんより、生徒たちへ「激励の言葉」が贈られました。

「みなさん、本日はおめでとうございます。立派になりましたね。感動しました。みなさんのことは『金の卵』だと思っています。ただ、その卵が、将来『金』になるか、『黒』になるかは、自分の努力次第です。

 私の経験上、まず『夢を持つこと』が大切です。
 夢を持ったら、必ず『目標』が出来ます。
 「目標」が出来たら『努力』します。『努力』は必ず報われます。
 「努力」したら『結果』が出ます。
 「結果」が出たら『感動』があります。

 プロの道では、この繰り返しを経て『一人前』になって行きます。

 みなさん、まずは、夢を持ち、目標を立てて、頑張ってください!

中西さんの話に
熱心に聞き入る生徒たち


 また、もう1人の来賓である、西洋料理担当の「Steak & Wine Bocci(ステーキ アンド ワイン ボッチ)」のシェフ 坪井 伸輔(つぼい しんすけ)さんのご紹介もありました。

講師の坪井さんです!
さまざまな先生や家族たちのおかげで
生徒たちは「仮認定式」を迎えることができました!

 
 式典は終了し、みんなで記念撮影をしました

このよき日を記念して、
参加者全員で写真撮影です!
「オン」から「オフ」へ!
緊張感から解き放たれた生徒たち

 先ほどまでの、ぴんと張り詰めた緊張感から解放された生徒たちの笑顔があたり一面に弾けます😊

 まるで、映画のシーンが、静かな場面から賑やかな場面へと一瞬で切り替わるような瞬間でした

 式典終了後、生徒たちにいろいろとお話を伺ってみました😊

 1人目は、津山市出身の木元 芹奈(きもと せりな)さんです✨

将来の夢を熱く語ってくれた
木元さん

Q 津山東高校の食物調理科に来ようと思ったきっかけを教えてください😊
A もともと、姉が津山東の卒業生で接客業をしているので、自分もここに来たいと思いました!

Q 今日(取材当日)、コック帽をかぶった時の気持ちはどうでしたか?
A (コック帽をかぶるのは)初めてなので、これからの校外実習に向けて、気を引き締めて頑張りたいです✨

Q 将来の夢について、教えてください!
A 接客業に就きたいので、県外のレストランに勤務したいです。一度、地元を出て、機会があれば、また地元に戻って来たいです😊

Q 接客業をされているお姉さんから、何かお話を聞かれたりしますか?
A 大変なこともありますが、お客さんの笑顔を見ることができるので、そこが「やりがい」だと聞いています✨

Q 7月の校外実習では、どんなことを頑張りたいですか?
A まだまだ一人前ではないので、みなさんの足を引っ張らないようにして、少しでも成長した姿を見てもらえるように一生懸命頑張りたいです😊

 

 2人目は、川原 環楽(かわはら わら)さんです✨

明るい笑顔で
将来の夢を語ってくれた川原さん

Q 津山東高校に来ようと思ったきっかけを教えてください!
A 調理師免許が取れるので、津山東に来ました😊

Q いつ頃から、調理師になりたいと思っていましたか?
A 小学校4年生の頃からです。当時はお菓子作りが好きで、ホットケーキやクッキーを作っていました。

Q コック帽をもらうまで、順調でしたか?苦労はありましたか?
A 筆記試験も実技試験も覚えることが多くて、苦労しました。特に、日本語ではない単語を覚えるのが大変でした。書いて覚えたり、夜に勉強すると(翌日には)忘れたりするので、朝早く起きて覚えたりしました。

Q 将来の夢について、教えてください✨
A 県外に出て、製菓の関係の仕事がしたいです😊

Q 7月の校外実習は、どこに行くのですか?
A 津山市内の洋菓子店で実習します✨

Q 鏡を見ながらコック帽をかぶった自分を見て、どう思いましたか?
A 嬉しい気持ちと、「やっとかな!(やっとコック帽をかぶることができたかな)」という気持ちがありました!


 3人目は、神光 晴(かみみつ はる)さんです✨

周囲の人たちを明るい気持ちにさせる
神光さん

Q もともと、津山東高校で調理師の勉強をしようと思ったきっかけを教えてください✨
A 小学校2年生の頃、初めて包丁を触って「揚げ出し豆腐」を作ってみた時に、自分の中で「料理をしたい!」という気持ちが生まれました!和・洋・中の全部が好きですね!

Q (かなり驚いて)初めて作ったのが「揚げ出し豆腐」ですか😉?
A はい。豆腐を揚げる所から作ったんですが、家族にも手伝ってもらって、うまく出来ました

Q 入学してから2年あまり経ちますが、自分自身で「成長したな!」と思うことはありますか?
A 「包丁さばき」ですね✨1年の頃は、とても遅かったんですが、最近は、自分の手がどんどん成長して行って、どんどん、どんどん、速くなっています!

Q 将来の夢について、教えてください!
A (地元である)津山の「シロヤマテラス」で働きたいです✨自分の思いを貫いて、頑張って行きたいですね。

Q 「思い」とは、具体的にどういう思いですか?
A 将来は、自分のお店をもちたいと思っています😊それまでには、もっと自分の腕を上げて、自分のお店をもてれるように頑張って行きたいですね

 将来の希望にあふれるみなさんから、たくさんの元気をもらいました

 最後に、施設長である安東校長より、津山東高校や生徒たちへの思いについて語られました。

本校の生徒たちは、実習になると、表情が引き締まります。オンとオフの切り替えがしっかりしています。

「本校は、食物調理科と看護科、普通科が融合して、面白い学校になっています。これらは、一見、異質なように見えるかも知れませんが、実は普通科が『総合探究』を取り入れたことで、どの科も『地域連携』に取り組んでいるという共通点があります。」

「外部講師の方たちのように、プロの技術を持たれた方もおられます。プロの先生から授業を受けている生徒たちを見ていると、常に、外の方たち(学校以外の場所でも勤務されている方たち)の目にさらされているので、甘えられないしっかりと、メリハリがついています。そういった意味で、津山東高校は、閉じた世界ではなく、開かれている学校です。」

生徒たちへの熱い思いを語る安東校長


 生徒たちの晴れやかな表情がとても印象的だった「仮認定式」

 生徒たちひとりひとりが、自分の人生の「主人公」です✨

 これからも「調理師への夢」へ向けて、ひとりひとり、着実に進んで行ってくださいね😊

みんなそれぞれが、
自分の人生の「主人公」です!

  
 津山東高校を含めて、岡山県内には魅力的な学校がたくさんあります✨
 「おかやま県立高校情報ナビ」をぜひご覧ください!