【優良実践発表】教職員の協働による学力向上の取組
総社市立新本小学校
令和3年度の優良実践普及事業で優良実践校に選出された実践を紹介します。『教育時報』令和4年8月号に掲載されました。
1 はじめに
本校は総社市の西部に位置し、豊かな自然に囲まれた全校児童72人の学校です。こうした環境にも育まれている児童ですが、発表や意見交流などのコミュニケーションが苦手な児童が多いという課題がありました。そこで、主体的な活動により自己肯定感を高める必要があると考え、取組を推進しました。その概要を紹介します。
2 取組の概要
(1) 地域の特性を生かした取組
①地域遺産を生かした取組
地域では赤米や義民祭などの文化や行事が大切に継承されています。これら地域遺産を教育活動に位置付けました。地域等と連携し、児童が行事に参加したり、文化を体験したり、地域に向け発表したり、同じく赤米の文化を継承する県外小学生と交流したりと主体的に活動する取組を行いました。
②地域人材を生かした取組
地域の方々約40人に、学校支援ボランティアとして多岐に渡りご協力いただいています。教育活動では、体験講話、読み聞かせ、専門分野の講師、名人、技術支援者など、ボランティアの方々の豊富な経験や専門性を生かした支援をいただいています。
③地域機関との連携
地区社会福祉協議会と連携し、高齢者訪問活動などへの児童の参加を図り、地域の方々との交流を深める取組を行っています。
(2)学校の特性を生かした取組
文科省認可の英語特区の特性を生かし、全学年で英語授業を行っています。授業では、他の教育活動等と関連させたり単元末の目標を児童に意識化させたりすることで、身近で必然性のある言語活動になるよう工夫しています。
日常的にはALTと児童が協同した放送朝礼や英語朝礼(月1回)を行い、英語によるコミュニケーション力の向上を図っています。
(3)縦割り班活動を生かした取組
異学年交流や自己有用感の高まりをねらいに縦割り班掃除や縦割り班遊びを行っています。
振り返り場面での児童相互のよい点の認め合いや教員が活動で見られた協力や頑張りを、称賛したり紹介したりすることを意図的に設定した取組を行っています。
3 おわりに
取組を通して、授業や行事などで、積極的に自分の思いを伝えたり意見を交流したりする姿が多く見られ始めました。学力検査においても、自分の考えを文章に書く力が少しずつ伸びてきました。
今後も子どもが主体的に活躍できる場を大切にし、学校づくりを行っていきたいと思います。