【優良実践発表】プロジェクトチームによる児童の人間関係づくりと学力向上

矢掛町立三谷小学校

令和元年度の優良実践普及事業で優良実践校に選出された実践を紹介します。『教育時報』令和2年6月号に掲載されました。


1 はじめに

 本校は、全校児童73名の小規模校です。学区内の保育園から入学する児童の割合が高く、新たに人間関係を構築する必要がないため、コミュニケーション力が育ちにくいのが現状です。また、職員数が少なく、職務分担の個別化、協力体制の取りにくさも課題となっています。そこで、プロジェクトチームを組み、本校の課題解決を図ることにしました。

2 取組の概要

 プロジェクトを「知」・「徳」・「体」及び「地域連携」の4領域とし、全職員がいずれかの領域に所属してチームを組みました。学力の向上と人間関係づくりに重点を置き、チームごとに作成した達成基準と具体的な実践計画をもとに、学校運営協議会の助言をいただきながら、取組を進めました。

(1)学力向上の取組
 「知」領域のプロジェクトチームを中心に、学習規律と伝え合う力の2点に焦点を絞って取り組みました。

フリートークによる伝え合いの場

①基本的な学習規律の定着
 よりよい話し方や聞き方を具体的に決め、各教室に掲示しました。また、発表は最後まで言い切るよう促し、聞き手にはハンドサインを使って自分の考えを示すことも指導していきました。
 「体」領域のチームと連携し、姿勢体操や体幹トレーニングによる体作りを行い、学習中の姿勢を保つ力も育てました。
②伝え合う力の育成
 伝え合いの場を充実させるため、練習の場、少人数での意見交換の場、全校集会の場、保護者や地域の人に対する場、そして観光客等が集まる場と、さまざまな規模で場を設定して取り組みました。

(2)人間関係づくりの取組
 「徳」領域を担当するプロジェクトチームを中心に、異学年交流の場の設定と自力解決力の育成について取り組みました。
 異学年交流では、縦割り班活動、兄弟学級、それ以外の学年など、ふれ合う相手を広げて活動を計画的に取り入れました。
 自力解決力の育成については、子ども同士で話し合える場と時間を作り、教師がそばで見守りながら解決を促し、「自分たちで解決できた」という成功体験を積み重ねられるようにしました。

縦割り班でカルタ遊びを楽しむ様子

3 おわりに

 プロジェクトチームを組み、学校運営協議会と連携しながら取り組むことにより、課題の明確化と取組の具体化が図られ、全職員の共通理解のもと、確実に実践していくことができました。
 今後も、取組の焦点を絞り、チームごとにアイデアを出し合って充実した取組を進めていきたいと思います。