【優良実践発表】授業におけるICTの活用促進に向けた取組
久米南町立弓削小学校
令和3年度の優良実践普及事業で優良実践校に選出された実践を紹介します。『教育時報』令和4年10月号に掲載されました。
1 はじめに
本校は、県中央部に位置し、児童数46名の小規模校です。全体的には落ち着いており、学習にも真面目に取り組んでいますが、自分の考えを表現することに苦手意識をもっている児童が多く、「主体的・対話的で深い学び」を意識した授業にも課題がありました。そこで、ICTを積極的に活用することで、本校の課題を解決していこうと考えました。
2 課題解決の取組について
(1)授業改善
本校は、経験の浅い若手の教員が多い学校です。そのため、ICT活用についてのハードルは低く、活用に興味をもつ教員もいました。そこで、若手教員をICT推進リーダーに据え、若手を中心にICT活用を進めていきました。
ICTの導入に際しては、とにかくあらゆる場面を想定して使ってみることからスタートしました。ICTを活用した授業を他の教員に発信したり、校内研修で活用事例を紹介したりしながら、活用方法を教員全員で共有しました。積極的に提案授業を行う若手教員の存在は大きく、お互いによい刺激となりました。
ICTを、表現や協働的な学びを実現するツールとして積極的に授業に取り入れることで、児童主体の授業を目指した授業改善に取り組みました。また、タブレットを使う時間をしっかり確保することで、児童の活用スキルも高まり、文房具のように日常的に使うことにもつながりました。
(2)環境整備
ICTに精通している事務職員もICT推進リーダーとして、技術面と財政面からの支援を行いました。
まずは、ネットワーク環境の整備とテレビ、プロジェクタ、教材提示装置が常時使えるようにICT環境を整えました。次に教員がソフトを使いこなせるように校内研修を多くもちました。そして、研修後も授業での活用や授業中のトラブルにも迅速に対応しました。ICT活用に向けた環境整備が進むとともに、事務職員の学校運営への参画にもつながりました。
3 おわりに
若手のリーダーがそれぞれの役割を果たし、職員全体が目的に向かって取り組んだ結果、職員のICTスキルが高まり、授業づくりにICT活用が浸透していきました。そして、これらの取組により、教師主導の授業から児童中心へと代わってきていると実感しています。児童はタブレットを使う授業を楽しみにしており、授業中に意欲的に粘り強く取り組む姿も増えてきました。授業の中でICTを活用しながら表現したり、友達と協働学習をしたりする活動が確実に増え、それが児童の主体的な学びとなり、学力向上にもつながったと感じています。そして、支え合い、高め合える仲間の存在は何より大きく、同僚性も高めることができました。