【優良実践発表】居場所とつながりのある学校づくり

津山市立河辺小学校

令和3年度の優良実践普及事業で優良実践校に選出された実践を紹介します。『教育時報』令和4年5月号に掲載されました。


1 はじめに

 本校は、津山市東部に位置し、児童数303名の学校です。数年前までは、子どもたちが落ち着けない状況が続いていました。そこで、子どもたちが安心できる学校づくりを目指し、岡山大学中山芳一准教授とも連携しながら、「居場所とつながりのある学校づくり」に取り組んできました。

2 取組内容

 これまでの学校の課題について職員と話し合った結果、自己表現が苦手、人間関係の不安、自己肯定感の低さ、進んで学ぶ意欲の不足、高学年の良いモデルがないなどの課題が出ました。それを、「居場所のなさからくる不安感・自己肯定感の低さ」と捉え取組の柱としました。
 まずは「わからない」「教えて」が言える関係づくりを行い、対話のある授業に取り組みました。友だちとつながることで自信がつき、授業での居場所ができました。次は、先生が子どもに寄り添う姿勢を継続しました。問題行動の背景や理由をよく聞き、良い行動は評価しました。認める・ほめる・広げることで安心感ができ、問題行動は減少しました。

3 非認知能力の育成

 中山准教授と河辺小版非認知能力の育成「自信のある河辺っ子」に取り組みました。自信を「自分らしさ」「自分ならできる」「仲間と取り組む」の3観点に分け、各観点5つの具体的な行動指標を作成し、子どもたちの行動を見取る「レンズ(視点)」としました。
①授業で伸ばす
 学習のめあてに、自信(行動)のめあてを加え、子どもと共有します。「らしさん」「できるん」「なかまん」とキャラクター化しました。振り返りを大切にし、自己の変容に気づけるようにしました。

②行事で伸ばす
 運動会と学習発表会で、「事前・中間・事後」に3回のアンケートを取りました。めあてに向けた自分の伸びを実感し、友だちと交流して頑張りや伸びを共有しました。
③高学年で伸ばす
 運動会では、高学年の活躍の場を設定し、全校で評価しました。また、委員会活動などの活躍を見える化し、「あんな6年生になりたい。」と思える良いモデルとなりました。

4 おわりに

 居場所とつながりの取組で、安心感と自信が広がっていきました。今後は、子どもたちが進んで考えを出し合いながら、自分たちの手で「居場所」を広げ、よりよい学校を作ってほしいと願っています。