【優良実践発表】「中和いきいき学習」を核にした開かれた学校づくり
真庭市立中和小学校
令和2年度の優良実践普及事業で優良実践校に選出された実践を紹介します。『教育時報』令和3年4月号に掲載されました。
1 はじめに
本校は、鳥取県境に接し、児童数24名の小規模校です。中和の自然、歴史、文化、そして、そこで暮らす人々を教材として、探究的な学びを展開するのが、「中和いきいき学習」です。
この「中和いきいき学習」を核にして、特色ある学校づくり・開かれた学校づくりを行いました。
2 取組の概要
「中和いきいき学習」を継続・発展していくために、年度初めの校内研修において、「中和いきいき学習」をなぜ行うのか、どんな子どもを育成するのか、そのために教師はどんな視点で児童を指導するのかといったことを全教員が確認・共通理解することからスタートしました。
この共通理解を基に、保護者や地域の方々の力をお借りしながら進めてきた取組について紹介します。
(1)中和いきいき学習の取組
全教員が児童に付けたい力を共有し、さまざまな体験活動を切り口として、発達段階に合わせ、生活科や総合的な学習の時間を使って、低学年は「中和いきいき探検隊」、中学年は「中和いきいき新聞記者」、高学年は「中和いきいきプロデューサー」として活動しています。
その学びを発信するとともに、より深化する場を確保するために行うのが『ふるさと学習発表会・交流会』です。
この会は、前半を「中和いきいき学習」での学びを発信する発表会、後半を児童・保護者・地域の方々との交流会として実施しています。交流会では、児童は、直接保護者や地域の方々から前半の発表について感想や意見を聞き、より大きな達成感や自己有用感などを感じ、主体性を育むことができます。また、自身の学びの確認や今までとは違う視点での気付き・発見により、新たな学習課題や学習の方向性等を見つけ、発表会以降の学習に生かすことができます。
つまり、この「ふるさと学習発表会・交流会」も児童の体験活動の一つとして位置づけています。
(2)学びの継続の工夫
主体的・継続的な学びを行うために、「中和いきいき学習」は、今年度の活動を基に次年度の学習内容を今年度中に決めておきます。
複式学級(1・2年、3・4年、5・6年)である本校では、4月になると下学年であった奇数学年の児童は、学年が上がっても同じクラスにとどまります。その結果、下学年が加わったり、担任が替わったりしても、すでに学習内容は決まっているので、主体的・継続的な学びがスタートできます。
(3)開かれた学校づくりの取組
本校は、令和元年度から、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)を取り入れました。また、より質の高い教育を行うために、地域の人材が積極的に教育活動に参加したり、学識経験者や地域の方々をお招きして校内研修・研究授業等に参画していただいたりしています。
3 おわりに
「中和いきいき学習」は、豊かな自然と長い歴史や文化、そして、そこに暮らす未来志向で多様性を尊重する人々が暮らす「中和」だからできる教育だと思います。
これからも「ありがとうのつながり」「中和のお宝」を大切にしながら、保護者や地域の方々のお力をお借りしたり、ご指導を仰いだりしながら、持続可能な社会の創り手となる児童を育成するとともに、開かれた学校づくりを行っていきたいと考えています。