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【瀬戸高校】次世代教育を体感!DXハイスクール採択校で「探究アイデアソン」開催!

 7月9日、文部科学省が推進する「高等学校DX加速化事業(DXハイスクール)」に今年度採択されている瀬戸高校で、1学期最大のイベント「探究アイデアソン」が開催されました!

 「探究アイデアソン」は、生成AIを活用して探究学習の質が高まる画期的な教育プログラムのことです。数理・データサイエンス・AIを活用した具体的なアプローチや、探究学習をより効果的に進めるための戦略について実践します。
 この教育プログラムの特徴は、慶應義塾大学SFC研究所上席所員と瀬戸高校が共同開発した「FRTC(ふらつく)サイクル」(「Find(見つける)」「Receive(受け取る)」「Think(考える)」「Communicate(伝える)」の頭文字をとって名付けられた探究学習を効果的に進めるためのフレームワーク)理論に基づいているところです。

「FRTC(ふらつく)サイクル」のイメージ
講師は、慶應義塾大学SFC研究所 上席所員  笹埜 健斗 氏です

 笹埜講師から「総合的な探究の時間の取組では、特に、情報収集及び整理・分析のプロセスにおいて、生成AIを利用することにより、探究の質を上げることができる。」と生成AIの可能性について話がありました。

 まずは「生成AI活用講座」ということで、生成AIについての基礎的な知識の説明がありました。
 ここでは、AIアバターの「AI笹埜健斗」が「探究」や「アイデアソン」といった言葉の意味を日本語で説明していきます。生徒は自然な日本語で話すAIアバターに釘付けでした。

AI笹埜健斗 氏が笹埜講師に代わって説明します

 ちなみに、この研修は、講師がいる会議室からオンラインで各教室へ配信されています。 

 講義に続いて、実際に生成AIを使っていきます。まずは、情報収集用「R型プロンプト」を学んでいきます。
 ※RとはReceive(情報収集)の意味です。
 笹埜講師は「プロンプトは人に何かを依頼するように丁寧な言葉で伝えることが大切。丁寧に聞かないと、求めている答えは出てこない。AIは意見を求めるパートナーのようなもの。」と解説します。

AIに指示を出して、情報収集に挑戦する生徒たち
別会場でも、AIの反応に大盛り上がりです!
グループで表示されたデータを確認しているようです

 生徒が苦戦している様子を見て、笹埜講師は「まずは、おもしろそうなデータセットをみつけることをゴールにしよう」とヒントを出しました。
 生徒はe-Stat(政府統計の総合窓口)などからデータを見つけていきます。

真剣な表情でAIを操作しています

 「フードロスや食品リサイクル」、「積み立てNISAをどう広めていくのか」、「魚と健康」などといったそれぞれの課題を解決するためのデータを探していきます。

 休憩後、次は整理・分析用「T型プロンプト」を使ってみます。
 AIにさきほど集めたデータを分析させるため、命令、条件、調査名、調査概要、注釈などを入力します。

膨大なデータの整理や分析はなかなか難しそうです

 笹埜講師は「課題解決のためにデータは武器になるが、多くのデータからどれを使うのか、分析には、自分の軸をしっかり持っておくことが大切。軸がないとどのデータをつかってもうまくはいかない。」と分析についての注意点を挙げました。

話し合いをして、必要なデータやAIへの指示を考えます

 最後に、本日の振り返りも含めて、「生成AIの限界と未来」ということでまとめの講義です。
 笹埜講師は「AIは、可視化、分類、予測などは得意だが、自分で問いを作ることはできない。だからこそ、人間には問いを作る能力、人工知能を使いこなす能力、結果を解釈して活用する能力が求められる。」と講義を締めくくりました。

 1年生の生徒に話を聞くと「生成AIの使い方を学ぶことができたと思います。その中で膨大な統計データがあるサイトを知ることができたので、自分たちの探究活動に活かしていきたいです。」や、
 「フィールドワークでは必要なデータが集まらず、少し行き詰まっていましたが、生成AIを使ってデータを見つけることができれば、取組が進みそうです。」など、生成AIを活用して、探究活動に取り組みたいという前向きな感想を聞くことができました。

 笹埜 圭亮 校長は「今日は楽しく生成AIを使うことができればよいと思っていた。生徒は生成AIを使うことでワクワクした気持ちを感じることが出来たと思う。今後は生成AIを活用してアプリの開発などもできればと考えている。変化が激しいデジタル時代を生き抜くため、本校の生徒には必要なデジタルリテラシーを身につけさせ、未来の社会で活躍する人材となるように育成していきたい。

 瀬戸高校のDXハイスクールに関連した取組にこれからも期待です!


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